ほかほかのおゆ

社会人2年目です 食事、お酒、旅行、雑記 自己満記録

ヴェネツィアと100グラムのパスタ

ヴェネツィアのレストランで良いこと悪いこと色々あった話。

イタリアのレストランの店員さんはみんなかなりいい人たちだけど、やっぱり観光地はかなり容赦なく取ってくるよ!あと、日本のレストランにはあまりない値段表記があるよ!という内容

なお私が行ったのは正確にはリストランテではなくトラットリア(大衆向けレストラン)だが、ここでは分かりやすくレストランとする。

 

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ヴェネツィア2日目のこと

イタリアのヴェネツィアにひとりで観光した時のこと。

ヴェネツィア滞在2日目。この日はヴァポレット(水上バス)の一日乗り放題パスを購入し、ヴァポレットを駆使して島中を巡っていた。

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そこら中にいるカモメたち。

鳥が好きなので、ニマニマしながら眺める。

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なんて素晴らしい佇まいだ!最高〜!!!!!

これだけで楽しめてしまうのだから、お安いものである。

 

なお、彼らがカモメなのかウミネコなのかはよく分かっていない。ニャアニャア鳴くのはウミネコだと聞いたことはある。

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自由なカモメ(ウミネコ?)たちを眺めながら観光地を巡る。

水上バスからの眺めを満喫したり、道ゆく客引きのお兄ちゃんたちに揶揄われたり(ハ?)、あとはジョジョ(漫画)が大好きなので聖地巡礼をするなどして、一人ヴェネツィア観光を満喫していた。

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サンジョルジョマッジョーレ聖堂(Basilica di San Giorno Maggiore)と、その鐘楼からの眺め。この眺めが個人的にヴェネツィア観光の中で一番気に入ったかもしれない。この眺めをたった一人で見るのはちょっともったいないかも、と思った。夕方18時を知らせる鐘が間近で鳴り、その大きな音にめちゃくちゃ驚いたのを覚えている。

 

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そして、観光をする上で大切なのは食事。

ヨーロッパのレストラン事情に疎かった(というか自分がちゃんとみてなかった)為、夕食でひっくり返ることになるが、そんなことはつゆ知らず張り切ってグルメを楽しまんとする私である。

 

 

【昼食編】

イカスミのパスタを食べたいなあなどとレストランのメニューを見ながらウロつく。このお店にはないなぁなんて思っていると、おじさんに「ここで食べていきなよ!」と声をかけられる。

いやあ見てるだけなんでいいっす…とやんわり断ると、「なんで!?!?」と目をまるくして叫ぶおじさん。声がでかい。「美味しいよ〜?」と続くその場にいたイタリア人のお客さん。葉巻をスッパ〜と吸っている。

 

「でも、私イカスミパスタを食べたいんですよね。ここにはないので…」

「大丈夫、そんなの作ってあげるよ!メニューにサーモンのタリアテッレがあるでしょ?それをイカスミに変えてあげる!」

 

作ってくれるんかい。

ちなみにタリアテッレとは、きしめんみたいに平たくて薄いパスタのことである。

 

イカスミって、パスタとかリゾットくらいにしか使わなくないか?それならなんでメニューに書かないんだろう!?

と思いつつも、折角作ってくれると言ってくれているので、そのレストランで昼食をとることにした。

 

しかしメニューにもない料理を注文して味的に大丈夫なのかな?と不安になりながら大好きなプロセッコをあおる。ちなみにプロセッコとは、スプマンテ(スパークリングワイン)の中でもヴェネト州で造られているものをいう。美味しいのでみんな飲もう!

 

そして届いたイカスミのタリアテッレ。

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お、おいしい!イカスミだけでなく、ちゃんとイカも入っている。

 

ワインも美味しいし、綺麗な景色も見えていい感じ!とご機嫌で食べていると、通りすがりのイタリア人親子にコソッと、「みて、女の子が一人で食べてるよ…」と言われてしまう。悪かったな一人で…。

 

これはヨーロッパあるあるなのかもしれないが、女性が一人で外で食事(特にディナー)をしていると割と浮いたりする。それでもたまに女性が一人でアペリティーボ(ディナー前の晩酌的なやつ)をしているのを見るよ!!

イタリア人親子は私が外国人観光客だからイタリア語を理解していないと思っているのか知らないが、こちとら全部聞こえているのである!

 

一瞬ムッとはしたが、最後まで食事を楽しんだ。パスタとワイン、席代を含めて20ユーロほど。わりかしお高いが、観光地なので致し方ないだろう!次回は地元民向けの比較的お安いレストランも開拓したいものだ。

 

 

【夕食編】

バスの路線を勘違いして間違った路線(乗り放題パスが使えない路線)で30分待って時間を大ロスしたりなど観光客がやりがちなミスを犯しながらも、なんやかんやでヴェネツィア観光を楽しんだ模様。

 

お腹も空いているし夕食を食べようと思い、駅の近くのエリアをうろつく。高いだろうがもうヘトヘトだったので、変にウロつくよりもこの辺で探した方がいいと思ったのである。

 

ヴェネツィアは本当に迷宮都市なので、慣れていなかったり体力や時間に余裕がないのなら、下手にネットで調べた遠いところを目指すよりも現在地から近いご飯どころを探す方が体力的にも精神的にもいいだろうと個人的に思う。

 

レストランのメニューを見ながらウロウロしていると、「Buona sera.....こんばんは!」と声をかけられる。

不意に聞こえた日本語につい声の主の方を向くと、ニコッと微笑むウェイターのさわやかお兄さんが軽やかな足取りでこちらに近づいてくる。観光客キタ!捕まえてやるぞという気概を感じた。

 

どこから来たの?と問われ、日本からと答える。にっこり笑った店員さんは、

「日本語ちょっと話せる!」「イカスミ!あるよ!選んで!」とカタコトの日本語で説明をしながら笑顔でメニューを指差す。

 

いかにも観光客向け!なレストランなので少し迷ったものの、せっかく日本語でおもてなししようとしてくれていたので、まんまとこのレストランに決めた。外ではアコーディオン奏者のおじさんがゴキゲンに演奏をしてくれており、なんだかいい雰囲気であった。

 

席につくと、案内してくれたウェイターさん1がイタリア語で「日本からのお客さまだよ~🎶」と言う。それに対して「わお。ありがとございます!」と日本語で挨拶してくれるウェイターさん2。なんだこのレストランは。みんな日本語をかじっているのか!?

 

ボケッとしていると近づいてくる別のウェイターのおじさま。前の二人と違ってクールな印象である。

店員さん3「注文はどうする?ワインとかもあるけど。(英語)」

わたし「えっと、ちょっと待ってください。とりあえず白のハウスワインを頂きたいのと…(イタリア語)」

店員さん3「あ、イタリア語話すんだ。どっからきたの?」

わたし「あ、日本です」

店員さん3「ほーん。オレは日本語は話さないけどね。」

 

英語で話しかけられたのに対してイタリア語で返事して、「あ、イタリア語話すんだ」と返事されるその瞬間が一番気持ちええですからね。

 

メニューを見ながら迷う。イカスミはお昼に食べたし、学生だからそんなに予算もない。パッと目に入った「シーフードのパスタ」「8ユーロ」の文字を見て、それを注文した。これなら安いじゃん!と。

 

お分かりだろうか。

こんな観光地のド真ん中で、しかもシーフードが入ったパスタ。8ユーロなんてあり得ない。普通あり得ないのだが、1日の疲れで頭がボケていた私は、特に何も思わずフツ〜にそのパスタを注文!たのしみだな〜とノン気に考える。

 

そしてやってきたシーフードのパスタ。

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でかい。めちゃくちゃボリューミー。

写真では伝わりにくいが、エビが丸々3尾入っており、貝もたっぷり!!!そしてめちゃくちゃおいしいのである!!!

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オレは日本語は話さないけどね、とクールに放ったおじさまが「Buon appetito って日本語でなんて言うの?」と聞いてくる!話さないんじゃなかったのか?ツンデレなのか?「『召し上がれ』とかかな」と教えると、「めしあがれ…」と何度か呟いて、難しかったのかハハっと苦笑いをして離れていった。笑った!なんだこのおじさまは!好きだ!

最初に声をかけてきたウェイターさんが、「おいしい!?」と日本語で聞いてくる。頷くと、「おいしかったー!!」とハイテンション日本語で返してくれる。かわいい。

 

おいしいな〜店員さんもみんなやさしいしな〜なんて酔ってフワフワした頭で考える。ご機嫌で夕食を済ませ、ご機嫌でお会計へ向かう。気さくで親切な店員さんにお礼の言葉を言わないと!と脳内でイメトレをしたりしながら。そしてもう頭は働いていないので、「メニューには8ユーロって書いてたなあ、お酒と席代とで、20ユーロ前後とかかな?嘘でしょやすい〜」などと思い財布を準備する。ほんとうにそうかな?

 

レジではありがとね!と相変わらず日本語で挨拶してくれる店員さん。接客に慣れている。

「えっと、パスタとワインと席代とで…」

62ユーロだね!」

 

!?

 

62ユーロ。当時のレートで日本円にして8600円ちょいくらいだ。パスタ一皿とワイン一杯。パスタもメニューに8ユーロという文字が書かれていて、てっきり合計せいぜい20〜25ユーロ程度の価格だと思っていた私の時は、凍ったように止まった。

この時別の店員さんがかけてくれた「本当にイタリア語が上手いね。どこで勉強したの?」というお褒めの言葉に対して、「大学デス…」と答えたことだけ覚えている。

 

会計に対して何か言う余裕もなく、力無くカードで決済をすましてしまい、何か間違いが?とおもい再びメニューを見る。

 

私が頼んだパスタの価格の下に、ちっさ〜〜い文字で「100gあたり」の文字。

 

100グラムで8ユーロ!!!

考えたら当然である。あんなにドッサリ海の幸が入っていて、サンタルチア駅近くのバッチリな立地。お客さんはほぼみんな観光客。モリモリ盛られたパスタのお皿。それでそんなに安いわけない。ちょっと考えたら当然である!!

それでも1人であの量で合計8000円超えってちょっと高級すぎやしないか!?こんなものなのか!?分からないわからない!予算も余裕でオーバーだ!!

 

びっくりした私はその後散策する余裕もなく、軽くお土産だけ買って力無く帰路に着く。1日目に出会ってその後やたら町中で再開した、やたら距離の近いインド人男性とはこの日は出会わなかった。

 

とはいえご飯は美味しかったし、あんな魚介たっぷりのパスタは私の地元や今の住まいの近くでは食べられない。それに、ウェイターのおじさんたちもみんな気さくで親切だった。他のメニューは普通に一皿ごとの価格だっだが私が頼んだやつだけ100グラムごとの価格表示だったのだ。自分がちゃんとメニューを見ていなかったのが原因だ!

おいしくなかったとかならともかく、高いのを恐れてどこにも行かないよりはずっといいさ!価値ある一皿さ!

 

そう友人に(チャットで)なだめられ、その通りだと自分にも言い聞かせたのであった!

 

みんなもメニューはしっかり見よう!

一応言っておくけど、料理は美味しかったし店員さんはみんなとってもいい人たちだったよ!

 

おわり

 

 

おまけ 1日目に平和に食べたピザ ウェイターの女性がめちゃくちゃフレンドリーで感じの良い方だった

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モルタデッラ(ハム)とアーティチョーク、マッシュルーム、モッツァレラがのっていた🍕